神戸グー連載記事バックナンバー

毎月の連載、「海は宝箱だ」の記事をブログにアップして行きます。

クロシタナシウミウシ(神戸グー2009年2月号)


【この記事は神戸グー連載2009年2月・いまから2年前の原稿です】
Tubameuo0009

写真②
Kuukou017

写真③
Photo

前の連載から続けて、気がつくと干支が一回り!大阪湾の撮影も、この2月で14年目に入ります。丑年だから、というわけではないのですが、今回取り上げるのは『ウミウシ』。海の癒し系として密かに人気です。
冬になると、水温の低下に伴い、魚の数が減ってきますので、勢いウミウシの仲間たちの姿が目に付きます。ウミウシが泳いでいる写真①はクロシタナシウミウシです。ウミウシの仲間には、このように浮遊して移動するものもいます。
ウミウシはその卵塊もフォトジェニックです。写真②のように、海藻に咲く花のように産み付けるものもいれば、写真③のように、円形迷路のように岩などに産み付けるものもいます。
冷たい冬の海で、彼らの姿はひと時のなごみを与えてくれる貴重な存在です。

| | コメント (0) | トラックバック (0)
|

白いホヤ(神戸グー2008年2月号掲載)

Kuukou020

Kuukou012

【この記事は2008年3月号のバックナンバーです】


近年、特に冬場の水温が高い状態が続いていましたが、今年は冬らしい冷え込みが続き、2月初めに須磨海岸の撮影に入ったときには水温も8度まで下がっていました。冷たいのは体にこたえますが、なんだか安心してしまいます。
今月ご紹介するのは、真っ白なホヤ。奥に見えている赤っぽい色が、普通の色です。ホヤといえば、三陸海岸がでは養殖も行われ、「海のパイナップル」と呼ばれ、立派な食材になっています。食べると「磯の香り」がして、美味いですよ。でも、すごい量を養殖していても、こんな白いホヤはほとんど出てこないとか。たまに見つかったりすると、珍しいので東北の水族館では展示をしているほどです。でも、瀬戸内海では、岡山でも広島でもちょくちょく見かけるらしい。うーん、海は不思議ですね。
口が2本出ているところが入水孔と出水孔。体の頂上にあるのが入水孔で、海水とともにプランクトンなどの餌を吸い込み、酸素とエサをこしとって、体の横にある出水孔から吐き出すのです。じっくり観察していると面白いですよ。

| | コメント (0) | トラックバック (0)
|

神戸グー08年2月号クジメの産卵(神戸空港

Iroiro013この写真をご覧になった方も多いと思います。
07年暮れの某新聞の「神戸空港島の藻場で、今年もクジメの産卵が確認された」という記事の写真です。

話は飛んで、なぜ、僕がマスコミに写真を提供したりするのか、
誤解されている部分を僕なりに説明したいと思います。

自然環境は良い方にも悪いほうにも、心がけや行動で変えていけると信じています。
でもそれは、一人や少数の力ではどうにもならないことも知っています。
だから、マスメディアの力をお借りしたり、本を出すという作業に取り組むのです。
声高に主張するのではなく、僕が見たことを人にお伝えするために。一人の力を、もっと多くの人の力に変えていくために。
そして、もし、残念ながら僕たちの世代で力及ばなかった時には、『父の時代はこうだった』ということを、子供たちに知ってもらい、もっと技術開発が進むであろう彼らの世代が、行動につなげてくれることを信じて・・・

間もなく開港4年を迎える神戸空港島という新たな場所でも、新たな「いのち」は確実に育まれています。藻場ができている場所では、ヨレモクモドキという海藻の根元に産んだ卵をオスのクジメがしっかりと守っていました。07年12月のことでした。

| | コメント (0) | トラックバック (0)
|

神戸グーバックナンバー08年1月号ハリセンボン

「神戸の海は宝箱」の出版にあたり、掲載する写真を選んでいる時に、
当時12年間で初めて「ハリセンボン」の撮影に成功しました。
名前は「針千本」ですが、ウロコが変化した棘の数は400本弱しかないそうです。
沖縄ではアバサーと呼ばれ、食用にもされています。
ゴミで汚れちゃっているのが、しばらくの間、神戸の海に居た証拠なんでしょうね。
シャイな奴で、なかなか正面顔を撮らせてもらえませんでした。
撮影していて気がついたのですが、尾びれが欠けていました。
何かに食われたのかもしれません。
必死に生きているのに、水温が低下する冬を越すことは難しく、
12月の海で出会えた幸運に感謝します。
(都賀川アユの写真は明日以降、改めてアップします)

Iroiro005

| | コメント (0) | トラックバック (0)
|

神戸グー2007年9月号(大阪湾と海ガメ)

毎年夏になると、産卵目的などで沿岸海域に回遊して来るウミガメ類が漁業の際に誤って網に入ってしまう混獲が発生しています。7月24日から、神戸空港島西緑地の人工海水池において、大阪湾付近で混獲され保護されたアカウミガメを放流し、夏期の間、保護・飼育しているのは、報道によりご存知の方も多いでしょう。
アカウミガメは、世界中の海に広く生息し、本州で産卵する唯一のウミガメですが、産卵に適した砂浜が減っていることから、絶滅が危惧されています。神戸市内では1985年以来産卵は確認されていませんが、明石市や淡路島の砂浜では近年も産卵が確認されています。ウミガメの中では私たちに最も身近な種類かもしれません。
そのアカウミガメを解説・観察し、より身近に感じてもらうことで、海洋環境の保全につなげ、あわせて保護中のウミガメの健康チェックも行おうと、8月19日に「海のエコツーリズム・ウミガメ観察会」が150人以上の参加のもとで開催されました。
主催は、神戸市とこのウミガメの保護、飼育を行っているNPO法人日本ウミガメ協議会。保護してから約1ヶ月ですが、同協議会によると、ウミガメたちは体重の減少もなく、健康を維持しているようだとのことです。写真のワタリガニも同日撮影したものですが、ここに生息するこうしたカニや貝などを食べているのだと思われます。

ウミガメは変温動物であるため、水温が低くなる秋期には外洋へ放流されます。それまでの間、時折みんなにその愛らしい姿を見せながら、ここで体を癒して、元気に外洋へ旅立ってくれればと願っています。

NPO法人日本ウミガメ協議会のホームページはこちら:http://www.umigame.org/

Umigame013
Umigame002


| | コメント (0) | トラックバック (0)
|

神戸グー2007年12月号

自然は時に人工物よりも創造的で派手な作品を作り上げます。考えられない形であったり、色彩であったり。それは素晴らしいアート作品です。
沖縄県渡嘉敷島の東側のポイントでは、真っ赤なイソバナに黄色やオレンジのウミシダが群がって付いていました。海中では特に赤色が吸収され、肉眼ではもっと黒ずんで見えるのですが、それでもこのイソバナの周囲はひときわ明るく、遠くからでも目を引きました。この風景・色彩をどこかで見たような気がしていたのですが、先日山の紅葉だということにやっと気がつきました。
原稿を書いている11月下旬は、六甲摩耶の山々にも真紅や黄色、またその中間的な色彩のものなど色とりどりのもみじが見られ、青い空ををバックに見上げると、それはそれは心に染み入る風景です。

Iroiro002

Tyoutyou072


| | コメント (0) | トラックバック (0)
|

神戸グー2007年11月号(川の写真)

当たり前の話ですが、水さえあれば水中写真は撮れます。

と、いうことで、海ばかり撮影しているのではなく、川や湖にも撮影に行きます。これは、96年の11月の終わりに撮影に行った兵庫県生野銀山付近の渓谷の写真です。

 こうして浅いところからあおって陸上も含めると水中写真にも、季節感が強く出ます。海以外に撮影に行く時は、生物やその生態ではなく、水辺の風景を狙いにいくことも多いです。

晩秋の渓谷などでの苦労することは、足場が悪い上、水は冷たく、また、水深が浅いので浮力が消えないことです。そのために、寒さ対策でドライスーツを着込んだうえに、体を安定させるため腰に6キロ、足には4キロの重りを付け、ヨタヨタと水に入り、凍えながら撮影することになります。

撮影後の足取りが重かったのは、決して重りのせいではなく、ひどく体力を消耗した結果でした。

 冷たい水の中、小さな魚たちの泳ぐ姿と周囲の風景から、晩秋のピンと張った空気を感じていただけると嬉しい1枚です。

Hana10052

Iroiro006

| | コメント (0) | トラックバック (0)
|

神戸グー2007年7月号

Dsc_0211light
春~初夏の頃
沖縄地方では午後早い日中に、最干潮が
マイナス水位になる日があります。

最干潮の瞬間、満ち潮と引き潮の
均衡が保たれ、風がなければ
流れが止まり水鏡のようになります

この一瞬の写真を撮るために
僕は6月15日に沖縄へ向かいました。

直前の予報でも「雨・曇り」でしたが
水中写真の神様は
この数分間に雲の切れ間から
陽射しを与えてくれました。

その時、私の目の前には
水面に映るもうひとつのサンゴ礁が
幻影のように生まれました。

地球温暖化や開発などにより
元気なサンゴ礁が減っています。
いったん失ったものは決して、こんな風に
すぐに倍になる訳ではありません。

なんとしても
今の状態は維持していかなくては、と
目の前に広がる幻想的な風景は
私に語りかけているようでした。

(今回も大阪湾ではなく、沖縄の話でした。すみません。
8月号以降の原稿データが見当たらないので
飛び飛びの号でアップします。重ね重ねすみません)

| | コメント (0) | トラックバック (0)
|

神戸グー2007年6月号(串本のこと、大阪湾のこと)

連載を神戸の海に限らないで書こうとしていたこの頃はこんな感じでした。
で、やっぱりこだわりを持とう、と少しずつ大阪湾に回帰していったのでした(前フリ)


001

本州最南端で知られる和歌山県串本町の浅瀬に広がるテーブルサンゴ(クシハダミドリイシ)などの大群落は、群生地としては世界で最北に位置し、2005年にはこの海域がラムサール条約にも指定されました。
この写真のタイトルは「この子たちに残したいもの」です。当時4年生だった長男が10月の海で唇を紫色にしながらも、「すごいすごい」といいながら、繰り返し素潜りをしている姿を見て素直な気持ちで撮った写真です。環境省のパンフレットや串本町の観光カレンダーなどでも使われていますので、目にされた人もあるかもしれません。
1991年から串本に通う中で、当初は「きれいな海だなぁ」と感じていた思いが、自分の家族構成の変化もあり、「この子たちに残したいもの」という思いに大きく変化してきました。
近年、串本でもオニヒトデの食害などでこうしたサンゴにも影響が出てきており、ダイバーによるサンゴの保護活動が行われています。時間がとれず、現地での活動に参加できないのが残念なのですが、せめて私にできることとして、写真を通してその素晴らしさをダイバー以外の方々にも伝えたいと思います。
また、この大阪湾・神戸の海にも様々な形で関わられる方々がたくさんおられます。私もその一人として、信条としているのは、「個人にできることは限りがあっても、続けることで必ず効果が上げられるはず」ということです。
やり続けることで何かがよい方向に変わるのだと信じています。

| | コメント (0) | トラックバック (0)
|

2007年5月号(ケラマのクジラ)

Wide007
戦後まもなくから、昭和30年代の後半にかけて、沖縄ではザトウクジラ(以下、クジラとします)対象の捕鯨が行われていました。しかし、乱獲により海域のクジラが絶滅に近い状態になったことなどから、捕鯨は廃れました。それから約30年、平成に入る頃になり、再びクジラたちがケラマ海域に戻ってくるようになりました。クジラが姿を見せるのは、年末~4月頃。個体識別調査の結果、今シーズンは220頭が確認できています。地元では共存を図るため、「ホエールウォッチング」という形でクジラを冬の地域振興につなげています。
クジラの姿を眼前にすると、老若男女・国の東西・地位などに関わらず、驚嘆・歓喜の声を上げてしまうのは、自然の作り上げた圧倒的な迫力・生命力に触れるからなのでしょう。「素直になれる」。それがクジラがくれるパワーなのかも知れません。
大阪湾で見ることができるクジラの仲間(水棲哺乳類)には、スナメリがいます。ネズミイルカ科の小さなイルカですが、元須磨海浜水族園学芸員の大鹿さんによれば、関空近辺でも目撃情報が多くあるそうです。スナメリウォッチングができる大阪湾って素敵ですよね。30年をかけて、クジラとの共存の道を歩むケラマ周辺のように、この大阪湾がそうした環境を取り戻せるよう願っています。

Wide004

Wide027


| | コメント (0) | トラックバック (0)
|

より以前の記事一覧