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お好み焼き「まさ」のこと

昭和57年、高校3年生の時に、神戸・大倉山にある中央図書館へ連日のように通っていた。
受験勉強のためである。
高校時代の3年間付き合っていた当時の彼女と一緒に通っていたので、
デートの場所も兼ねていた。

中央図書館の学習室を離れるのは、昼食時くらい。
決まって通っていたのが、タイトルの「まさ」である。
中央図書館の学習室から徒歩4分だった。


当時の思い出は、とりあえず封印しておくが

卒業後も、バイクで昼休みに食べに行ったり
かみさんと結婚した後もひんぱんにお好み焼きを食べに行った。

阪神大震災の後は、同じ場所にビルを建て直し、そこの2階が店になった。

家族で通うのも、最初は2人だったのが、3人になって、4人になった。
長男も次男もこの店が大好きだった。

混んだ時間を外して、ひとつのテーブルに座り、
「ぶた」、「すじ」、「たこ」、それに「焼き飯そば入り」を頼むのが
ここ数年の定番だった。

ここでは「そばめし」ではないのである。「焼き飯そば入り」なのである。
28年前、ぼくはここで初めて「焼き飯そば入り」というメニューを食べて感動した。
そのうちに巷ではこれを「そばめし」ということも知った。

ここの「焼き飯そば入り」は圧倒的に量が多く
恐らく、数多くの貧乏学生の胃袋を満たしてきたことだろう。
それを4人で分け合うと、40代の胃袋にはちょうどよい量になるのである。

これだけ長い期間にわたり通っていたのだが、
まったくお店のご夫婦と、馴れ馴れしくなることはなかった。
注文以外の会話をした覚えもない。
だからといって、つっけんどんではなく、ちょうどよい距離感が好きだった。
高校生だったぼくが見ていたがんこオヤジさんも、少し丸くなった気がしていた。

あるとき、「しばらく休みます」と張り紙があった。
もう半年以上前だろうか。

それから、前を通るたびに、再開を心待ちにしていたのだが
昨日、気になって、ポダリングの途中で寄ってみた。

110604_141401


「『まさ』は閉店しました」


いかにも「まさ」らしい、という気もする。
ぼくも、閉店の理由なんか、深く知らなくてもいいのだ。

4半世紀以上にわたり、ぼくは「まさ」のお好み焼きが、焼き飯そば入りが好きだった。
ここに来ると、どっかに28年前の自分が見えそうな気がしていた。
そんな場所がなくなったのが、寂しかった。

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コメント

まさのおじさん、亡くなりました。
となりのガソリンスタンドの人に教えてもらいました。
30年近く前からの常連ですが、ただの常連です。
知らずに再開を待っていたのですが残念です。
あのそばめしがまた食べたいですね。

投稿: 通りすがり | 2012年7月24日 (火) 17時08分

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